未成年の芸能人が飲酒して話題になったり、飲酒した未成年者と同席していた芸能人が非難を受けたりするニュースをたまに見ます。
対象になった芸能人は活動を自粛することがありますが、よく考えてみたら逮捕された話は聞いたことがありません。
そこで、一緒にいた未成年者が勝手にお酒を飲んだり、黙ってお酒を買ったりした場合の罰則を調べてみました。
未成年者本人は罰を受けない!?
意外でしたが、飲酒またはお酒を買った未成年者本人に対する罰則はないようです。
もちろんお酒を飲んで暴れ、その結果他人を傷つけたり物を壊したりした場合は、未成年者であっても処罰されます。
しかし、お酒に関して未成年者自身が罪を背負うことはないのです。
では、誰が罰せられるのでしょうか?
親権者や監督代行者が罰せられる
未成年者がお酒を飲んだ場合、法律的には親権者や監督代行者が罰を受けます。
未成年者の飲酒を知った親権者や監督代行者には、飲酒を制止する義務があるのです。
この義務に違反すると、科料に処せられてしまいます。
では、『監督代行者』とは誰のことなのでしょうか?
「親権者」は何となく「親」だとわかりますが、監督代行者と言われてもピンと来ません。
ここでいう『監督代行者』とはスポーツの監督でも映画の監督でもなく、親権者に準じるか、親権者に代わって総合的に未成年者を保護監督する立場の人のことです。
例えば以下のケースが考えられます。
- 親族や知人の子を預かって自分の家に同居させ、日常の面倒を見ている人
- 両親に代わって弟と同居し、養っている兄や姉
- 弟子を指導する親方や師匠
- 住み込みで働く店員を雇っている雇用主
単なる同席者や友人程度なら罰則を受けない?
上記のように、親権者や監督代行者は未成年者の親やそれに準ずる立場の人となります。
単なる先輩後輩関係である者や、サークルの仲間、ただの知り合い程度の関係であれば、未成年者が飲酒する時に同席していても罪になることはありません。
飲酒した未成年者と同席していた芸能人が非難されるのは、その芸能人が法を破ったからではありません。未成年者の飲酒を制止しなかったという事実において、成年者としての良識が欠如していたことを責められているのです。
お店側は要注意
未成年者にお酒を販売したり提供したりした営業者には50万円以下の罰金が科せられます。場合によっては酒類販売免許が取り消されることもあるので、お酒を扱うお仕事の人は未成年者とお酒の席で同席しないように注意してください。