少年犯罪で保護観察中の再犯率が増加!保護司の高齢化が問題に

少年事件

少年は成人に比べ、刑事事件を起こしても刑期が短いです。しかも、少年法で保護されているため、家庭裁判所が主に関与。未成年の刑法犯罪では、家庭裁判所に送られて「保護観察」になるケースが全体の4分の3を占めています。

ところが最近、保護観察中の少年の再犯率が増えているのです。どこに問題点があるのか、調べてみました。

少年犯罪の再犯事例は?凶悪殺人事件も

2010年の「石巻3人殺傷事件」、2015年の「川崎市中1男子生徒殺害事件」は、加害少年が保護観察中に起きた少年犯罪。石巻の事件では、主犯格の当時18歳の少年が元交際相手の親族・知人ら3人を死傷させ、少年には死刑が確定しました。また、川崎市中1男子生徒殺害事件では、主犯格の18歳の少年と17歳の少年2人が、13歳の少年に暴行を加え殺害。主犯格の少年には9年から13年の不定期刑が確定しています。

保護観察」とは、犯罪を行った成人及び少年が更生できるよう、保護観察官と保護司により指導・支援を行う制度。平成25年には85,000人(成人を含む)が保護処分を受けており、家庭裁判所から保護観察処分を受けた「保護観察処分少年」は約41,000人、家庭裁判所から少年院送致となり、その後少年院から仮退院となった「少年院仮退院者」は約8,000人となっています。

さらに、警察庁の平成26年度「少年非行情勢」によると、少年の再犯者率は33.9%で年々増加しており、少年の再犯者の人口比は成人の3.1倍に。少年法改正による厳罰化も、あまり意味がないようです。

保護観察所の保護司の問題点は?

保護観察は更生保護法48に基づいており、保護観察中の取り決めは、更生保護法50に規定されています。保護観察中の少年に接するのは、保護観察官と保護司。保護観察官は全国に1,000人程しかいないので、日常的に地域で指導を行うのが保護司なのです。保護司は実質的にはボランティアで、元校長や会社経営者など地域の名誉職的側面がありました。
近年、保護司の高齢化と人材不足が深刻な問題に。2016年の調査では、保護司の年齢は70歳以上が28.4%、60歳~69歳が51.7%と、8割が60歳以上となっています 。また、保護司の知名度不足や、仕事から受けるストレスなどにより、なかなか人材が集まりません。2016年6月に導入された「刑の一部執行猶予制度」により、保護司確保が急務。少年犯罪の多い都市部ほど、人材不足が深刻です。

さらに問題なのが、非行少年の質的変化です。昔の不良少年はグループ化し、繁華街やコンビニの前などにたむろしていました。しかし現在は、少年がLINEなどのSNSで繋がるようになり、地域の見守りを担当していた保護司にも、その動向が分かりにくくなっているのです。LINEでは新しい仲間がすぐにでき、少年の行動範囲も地域に留まらなくなっています。

まとめ

保護司さんのことは、今まで詳しくは知りませんでした。そういえば近頃、暴走族を見かけなくなりましたね。少年犯罪にもLINEなどSNSが影響していると分かり、子供の世界も変わったなと思いました。

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