刑事事件の弁護士費用は安いほどいいの?払えない場合は分割可能?

弁護士

刑事事件の弁護をお願いするときに、弁護士によって弁護士報酬の金額が大きく違うことがあります。高い先生の方が有能なのでは?安くても一生懸命やってくれる先生もいるのでは?払えない場合は、分割払いは可能なのか?と疑問があります。こちらを本日は解説いたします。

この記事を読んでわかること

  • 弁護士費用が安いほど良いというわけではない。実力と費用は比例しやすい。
  • 弁護士の力量が問われない事件(判決が一緒)で法外請求されることがある
  • 実力・経験が伴わないのに弁護士費用が高い弁護士もいる
  • 分割払いに対応している刑事事件弁護士もいるが、すべての事務所ではない
  • 費用が払えないなら、国選弁護士を利用する権利を持っている

刑事事件の弁護士費用は安いほうが良いは間違い

「刑事事件の弁護費用は、安ければ安いほど良い。ただし、当然に例外もある。」といわれています。その理由は?

まず、弁護士も時間を売る商売であること。もちろん、弁護士は、法律の知識、法的判断力、裁判実務の経験が売り物ですが、一番の商品は、その弁護士自身の時間です。

事務所経営には、事務員らの人件費、事務所の家賃、OA機器のリース代、弁護士会費、弁護士保険料、法律書籍代(これが馬鹿にならない!)といった固定経費がかかります。稼がなくてはならない金額は、毎月決まっています

時間あたり単価の安い依頼者の刑事事件に多くの時間は割けません。

次に、弁護士も同じ人間です。着手金が高いほど、また、その刑事事件で執行猶予判決や無罪判決をとることに成功した場合の報酬金が高いほど、やる気が湧きます

また、刑事事件の弁護費用が高いのに、依頼者が尽きない先生には、相応の実績があります。

弁護士にとって、一番の集客方法は、依頼者の口コミです。依頼者が、あの先生にまかせて良かったからと、次の依頼者を紹介してくれます。刑事事件の弁護費用が高くとも、口コミの連鎖が途切れないのは、期待に応え続けているからです。

つまり、弁護士費用も安く実力の伴う刑事事件弁護士に出会えればよいですが、一般的には、費用と実力が比例していると考える方が自然です。

刑事事件の弁護士費用が高いことが良くない例もある

ただし、世の中には、なんでも例外があります。

結論が変わらないのに法外請求

第一に、誰が弁護をしても同じ結論になるのに、金額がやたら高い弁護士がいます。

例えば、大麻所持、自己使用目的、微量、自白あり、反省あり、前科なし、家族あり、定職あり、職場復帰可能、家族や上司が情状証人予定、こんなケースは、100%執行猶予判決です。

弁護人によって結論が動くことはありません。国選弁護で十分ですが(その場合、被告人の負担額は8~9万円程度)、私選弁護でも、相場は、着手金20~30万円、報酬金も20万円~30万円。安い先生なら、結果がわかっているからと、着金と報酬金込みで、30万円程度でも受任してくれるでしょう。

ところが、過去には、このようなケースで、着手金と報酬金合計で300万円を請求した弁護士がいたと言います。もちろん、弁護士費用は、オープン価格ですから、それが違法ではありませんし、きちんと弁護活動をしてくれれば、問題ないとも言えます。しかし、高いにも程度があります。はっきり言って、お金が無駄です。

依頼数が少なくても費用が高く設定

第二に、売れていない弁護士だから高いという最悪のケースがあります。いい加減な事件処理ばかりしているため、リピーターがなく、依頼が少ないので経済的に苦しいため、たまに来た依頼に対して、つい高額な弁護料をふっかけて埋め合わせをしようとする場合です。これは地雷のようなものです。

解決事例数や相談件数を依頼する前に確認するとよいでしょう。

費用が高い弁護士に依頼したいが分割は可能?

法律事務所によっては弁護士費用の分割払いも可能としている事務所があります。クレジットカード払いもできる事務所がありますから、カード支払いを分割してもよいでしょう。ただしすべての法律事務所が分割払いが可能なわけではありません。

弁護士費用が払えないなら国選弁護士に依頼

国選弁護士は、国が弁護士費用を負担してくれる制度です。払えない場合は、国選弁護士に依頼することをお勧めします。

刑事被告人は、いかなる場合(費用が払えない場合)でも、弁護士を依頼する権利を持っているのです。

弁護士費用が高い理由を研究して、慎重に弁護士を選ぶべき

結局、弁護士費用が高ければ、必ず良いというわけではないのです。刑事弁護士の費用には相場があります。今日では、ネットで調べれば、おおよその相場はわかるはずです。

相場より高い先生は、高いなりの理由があるはずです。刑事事件弁護の経験と実績が豊富であり、受任した即日から、弁護活動を開始できる、その事件のために、他のスケジュールを押しのけてでも、時間を割いてくれる、複数の弁護士体制で動いてくれるなど、高額な理由があり、納得できるかどうかがポイントです。これらを良く見極めて下さい。

弁護士の力量が問われる事件なら、高い弁護士に依頼すべきですし、結果が変わらないなら、国選でよいという判断もできるでしょう。

刑事事件弁護士費用は次の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

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