少年による凶悪犯罪が多発しています。加害者だけでなく、被害者も少年や小さな子供の場合があり、子を持つ親としてはやり切れない思いがします。殺人事件で子供さんを亡くした犯罪被害者のご遺族にとって、加害者が少年だろうが成人だろうが、ちゃんと罪を償ってほしいと願うもの。
そこで、少年法と刑法とでは、刑罰などどのような違いがあるのか調べてみました。
少年法と刑法の関係は?少年犯罪の罪は軽いか!?
成人に適用される「刑法」と少年に適用される「少年法」とでは、その趣旨が異なっています。「刑法」は犯罪加害者に刑罰を科し罪を償わせるのが目的ですが、「少年法」では少年犯罪の加害者には保護処分を行ない少年の更生が目的です。また裁判は、成人には公開の法廷による裁判が課されますが、少年には家庭裁判所による非公開の審判という形式が取られています。
参考裁判所サイト:少年事件の処分について
刑法第41条の「14歳に満たない者の行為は、罰しない」という規定も、少年犯罪に影響を与えています。10歳から13歳までの子供が殺人事件を犯した場合でも、14歳に満たないため刑事責任能力がないと判断され刑罰を科されないのです。しかし、2007年の少年法改正によって、「おおむね12歳以上」であるならば、少年院送致は可能になりました。
さらに、2000年の少年法改正で、刑事処分可能な年齢が16歳以上から14歳以上に引き下げられました。14歳以上の少年には、刑事責任が問われることになったのです。また、被害者を故意の犯罪行為により死亡させた16歳以上の少年は、検察官に送致するのが原則になっています。
少年犯罪の罪が軽いのではないか?という世論の声があります。少年法51条の規定によると、「罪を犯すとき18歳に満たない者に対しては、死刑をもつて処断すべきときは無期刑を科する(1項)」「罪を犯すとき18歳に満たない者に対しては、無期刑をもつて処断すべきときであっても、有期の懲役又は禁錮を科することができる(2項)」とあ.り、成人加害者よりも一段刑が軽くなっているのです。
過去の少年犯罪の刑罰は?具体的な事例
2003年「長崎男児誘拐殺人事件」の加害少年は中学1年で、児童自立支援施設への収容。
2004年「佐世保小6女児同級生殺害事件」の加害少年は小学6年で、児童自立支援施設送致。
1997年「神戸連続児童殺傷事件」の加害少年は14歳で、医療少年院送致。
2000年「豊川市主婦殺人事件」の加害少年は17歳で、 医療少年院送付の保護処分。
2014年「佐世保女子高生殺害事件」の加害少年は高校1年で、 医療少年院送致の保護処分。
2014年「名古屋大学女子学生殺人事件」の加害少年は19歳の女子学生で、 無期懲役。
2015年「川崎市中1男子生徒殺害事件」の主犯格の少年は18歳で、懲役9年以上13年以下の不定期刑。
1999年「光市母子殺害事件」の加害少年は18歳で、死刑。
2010年「石巻3人殺傷事件」の主犯格の少年は18歳で、死刑。
まとめ
過去の犯罪事例を見ると、やはり「少年法」に守られているなと感じました。凶悪犯罪は刑法に準じ、軽微な犯罪と分けるのが妥当だと思います。