大学・大学院でアカデミックハラスメント(アカハラ)の被害に遭ってしまった場合、早めに専門家に相談することが大切です。
アカハラの相談先としては、弁護士に相談することがもっともおすすめです。
弁護士は法律の専門家として、アカハラ行為に対してどのような対応を取ることができるかについて、依頼者の状況に合わせたアドバイスをしてくれます。
この記事では、アカハラを弁護士に相談するメリット・デメリット・タイミングなどについて解説します。
アカハラについて弁護士に相談するメリットは?
アカハラの被害に遭った場合、弁護士に相談することには、以下のようなさまざまなメリットがあります。
自分が受けている行為がアカハラに該当するかどうかがわかる
大学という狭いコミュニティの中で活動していると、自分が受けている取り扱いが不当なものなのかどうか、アカハラに該当するのかどうかの判断が難しくなってしまう場合があります。
弁護士に相談すれば、自分が受けている行為がアカハラに該当するのかどうか、違法なものといえるのかどうかについて、専門的な観点からのアドバイスを受けることができます。
真に依頼者の立場に立ったアドバイスが受けられる
アカハラの被害を受けた場合、大学の窓口に相談することもできます。
しかし、大学側は加害者である指導教員などの身内という側面がありますので、必ずしも被害者の立場に寄り添ったアドバイスやサポートが受けられるとは限りません。
この点、弁護士は大学側とは利害関係を共有しない立場にありますので、純粋に依頼者にとってプラスになるようなアドバイスやサポートを受けることが可能です。
加害者に対する損害賠償請求の準備が周到に進められる
アカハラの態様が悪質なケースでは、加害者や大学に対する損害賠償請求を行うことも検討しなければなりません。
その際には、訴訟などの法的手続きを取る必要があるため、弁護士のサポートを受けることが必要不可欠です。
早い段階で弁護士に依頼をすれば、事実関係・主張の整理や証拠の収集など、損害賠償請求訴訟に向けた準備を周到に整えることができます。
初回相談は無料のことが多い|気軽に相談できる
弁護士は敷居が高いというイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には弁護士への相談のハードルは非常に低くなっています。
特に初回の相談料を無料に設定している弁護士も多いため、自分が本当にアカハラを受けているのかどうかわからないといった段階であっても、気軽に弁護士事務所を訪ねて相談することができます。
アカハラ被害に少しでも悩んだら、弁護士に悩みや疑問点を相談してみるのは非常におすすめです。
アカデミックハラスメントについて弁護士に相談するデメリットはある?
逆に弁護士にアカハラを相談するデメリットがあるとすれば、やはり弁護士費用がかかる点ということになるでしょう。
しかし、実際に加害者側に対して損害賠償請求を行う段階になれば、弁護士に依頼することは事実上必須です。
そのため、弁護士費用は請求にかかる必要経費と捉えるほかないでしょう。
また、正式な依頼の前段階の相談については、前述のとおり無料で対応している弁護士も多いので、まずはお気軽に弁護士に相談してみることをおすすめいたします。
アカデミックハラスメントを相談する弁護士を選ぶ際のポイントは?
一口に弁護士といっても、その個性や得意分野は弁護士によって異なります。
実際にアカハラへの対応を弁護士に依頼する際、どのようなポイントに着目して弁護士を選べば良いかについて解説します。
ハラスメント対応の経験が豊富
ハラスメントに対応した経験・実績が豊富な弁護士であれば、アカハラへの対応も安心して任せることができます。
特にアカハラの場合、セクハラやパワハラなどの他のハラスメント行為の要素を含んでいるケースも多いため、ハラスメント全般に強い弁護士であれば、その強みを大いに発揮することが可能です。
弁護士がハラスメント対応を得意としているかどうかは、公式ホームページなどでハラスメントについての言及が詳しくなされているかなどを参考に判断すると良いでしょう。
依頼者の話を否定せず親身になって聞いてくれる
アカハラの被害に遭ってしまった場合、被害者は大きな精神的苦痛を受けた状態で弁護士に相談することになります。
こうした被害者である依頼者の状況をくみ取って、依頼者の話を否定せずに親身になって聞いてくれる弁護士は、依頼者にとって良い弁護士であるということができるでしょう。
逆に、依頼者の心情を慮ることをせず、頭ごなしに依頼者の言うことを否定したり、法律を杓子定規に当てはめたアドバイスしかくれなかったりする弁護士には、アカハラへの対応を依頼することはおすすめできません。
疑問点を質問した際の反応・回答が迅速
良い弁護士の一つの要素として、レスポンスが早いということは非常に重要です。
依頼者が困ったり、疑問を抱いたりした場合に、即座に反応や回答を返してくれる弁護士は、依頼者にとって頼りになる存在になるでしょう。
アカデミックハラスメントはいつ弁護士に相談すれば良い?
アカハラの被害を弁護士に相談するにしても、どのタイミングで相談すれば良いかわからないという方も多いかと思います。
以下では、アカハラを弁護士にいつ相談すれば良いかについて解説します。
大学の窓口に相談しても満足な対応が得られなかった場合
アカハラの被害に遭った場合、もっとも手軽に相談できるのは大学の窓口でしょう。
大学の窓口に相談する場合、特に費用はかかりませんし、加害者である上司や指導教員などに対して直接働きかけてくれる場合もあります。
しかし、大学は加害者の身内という側面があるため、加害者に対して積極的に処分を行うことは少ない傾向にあります。
また、大学側の事務手続きが遅々として進まず、被害者側に対して進捗報告が全くないというケースもしばしば見受けられます。
このように、大学の窓口にアカハラの相談をしても満足な対応が得られなかった場合には、弁護士に相談すべきタイミングといえるでしょう。
加害者側に対する損害賠償請求を検討し始めた場合
加害者側に対して損害賠償請求をしたいと考えた場合には、すぐに弁護士に相談することをおすすめいたします。
損害賠償請求は、基本的には訴訟手続きによって行う必要がありますが、被害者自身だけで訴訟手続きを進めるのは非常にたいへんで、現実的ではありません。
また、訴訟の代理人になれるのは弁護士だけなので、損害賠償請求をしたい場合には、事実上弁護士に依頼する以外の選択肢は存在しないことになります(訴額140万円以下の場合の認定司法書士を除きます)。
もし加害者側に対する損害賠償請求を行いたい場合には、早い段階で弁護士に相談することによって、余裕をもって訴訟に向けた準備を進めることができます。
そのため、少しでも損害賠償請求が頭によぎった時点で、すぐに弁護士に相談しましょう。
最初から弁護士に相談するのもおすすめ
上記のように、弁護士にアカハラの相談をするきっかけ・タイミングはいくつかありますが、アカハラ被害を意識した時点で最初から弁護士に相談してしまっても問題はありません。
特に初回の法律相談を無料で行っている弁護士も多いため、アカハラに関する疑問点などを質問したり、自分の置かれている状況の問題点についてアドバイスを受けたりするために、無料法律相談を利用するのが非常におすすめです。
弁護士に相談をすることによって、アカハラ問題への対処方針や見通しなどが見えてきますし、いざという時に助けてくれる弁護士がいるということは、精神的な支えにもなります。
弁護士に相談するハードルは高くありませんので、アカハラの被害に悩んだ時点で、お早めに弁護士にご相談ください。
まとめ
アカハラの被害に遭った場合、弁護士に相談することには多くのメリットがあります。
弁護士は大学との間に利害関係を有していないため、真に依頼者の立場に立ったアドバイスを提供することができます。
また、加害者側に対する損害賠償請求を検討している場合は、訴訟に向けた準備を余裕を持って進めるためにも、弁護士に早めに相談することが非常に有効です。
弁護士は、アカハラについての相談をいつでも歓迎しています。
少しでもアカハラの被害に悩んだ場合には、無料法律相談を利用するなどして、一度弁護士にお話をお聞かせください。