少年法2条1項によれば、「少年法の対象となる『少年』とは、20歳に満たない者をいい」とあります。
今年2月に法制審議会において、20歳未満を18歳未満に引き下げる内容の本格的議論が始まりました。
少年犯罪も凶悪化していて、未成年だから刑を軽くするのはいかがなものか、と感じていました。子を持つ親として、少年法の適用年齢を引き下げる案には賛成です。
少年法年齢引き下げ賛成派の見解
まず、平成27(2015)年に、選挙権付与年齢を18歳以上に改正した “公職選挙法との兼ね合いです。選挙権という権利を得たからには、大人としての責任も果たさなくてはならない。少年法でだけ、未成年者を子供扱いするのは公平性を欠くというもの。ちなみに現行法では、民法の成年年齢は18歳になっていません。
次に、世論の動向を無視できない点です。国民の大半が、少年犯罪が凶悪化・増加していると感じており、少年法適用年齢の引き下げへの賛成が多数を占めています。平成27(2015)年に内閣府が行った調査結果によれば、78.6%の人が「5年前より少年による重大事件が増えている」と回答しています。
また、被害者遺族の感情への配慮も必要です。子供が凶悪犯罪で犠牲になった時、遺族側の心情として、犯人が成人であろうと少年であろうと相応の罪を償ってほしいと願うもの。少年法は加害者の保護・更生に重点を置いており、被害者の救済には繋がっていないのです。
さらに、諸外国において刑事事件で少年とされる年齢は、18歳未満が多く、国連の「児童の権利条約」でも18歳未満が子供と規定されています。
少年法年齢引き下げ反対派の見解
反対派の意見としては、世論調査では少年犯罪の凶悪化・増加を国民が感じているものの、むしろ少年犯罪が減少している事実 を挙げています。犯罪白書などによれば、刑事事件での少年の検挙数は、平成28(2016)年には31,516人(前年比19%減)で戦後最小であったこと。刑法犯の少年人口比は、2010年頃から7年連続で減少していること。これらから、少年法の取り組みが正しいとしています。
次に、再犯防止の観点が挙げられます。18・19歳の少年に刑罰を与えるより、保護処分による教化が大事である。更生の機会を失えば、若者の再犯が増える。との点から、少年法をどの年齢まで適用するのかという議論が活発化しています。
また、最近の少年は精神的に未熟であること。少年犯罪の背景に、発達障害や貧困などの社会問題があること。これらの理由で、少年法適用年齢を引き上げるべきとの意見もあるのです。
さらに、現行法で対応可能な点を挙げています。平成12年(2000)年の改正では、少年法条2項で「検察官への逆送致」が導入。成人と同じ裁判の対象になります。少年法51条1項により18歳以上の少年には死刑があり得ることも、年齢引き下げに意味がない根拠としています。
まとめ
少年法年齢引き下げに反対しているのは、日弁連や最高裁などだそうです。加害者に甘く、被害者に厳しい。少年法は子を持つ親の立場からすれば、そう言わざるを得ません。