刑事事件の弁護士費用の相場はいくらなの?

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この記事を読んでわかること

  • 法律事務所によって価格は異なる(オープン価格)
  • 自白事件は着手金30万円~50万円。報酬金30万円~50万円 総額100万円以内
  • 否認事件は着手金50万円以上。報酬金50万円以上。総額100万円以上
  • 旧規定にとらわれず、総額40万~100万円程度で行う事務所もある

刑事事件の弁護士費用は全てオープン価格

刑事事件を起こしてしまったとき、私選の弁護士を依頼すると、いったいどれくらいの費用がかかるのか。考えたこともない方がほとんどでしょう。
万一のために概要を知っておくと良いでしょう。

弁護士の料金は全てオープン価格です

刑事事件の費用は、弁護士事務所で決めることができる

かつては、日本弁護士連合会と各地域の弁護士会が、報酬規定を定めていましたが、平成16年、報酬規定は廃止され、弁護士費用は完全なオープン価格となりました

廃止された旧規定を、そのまま使用している弁護士が多い

ただ、廃止されても、長年、その規定で運用されてきた相場が急に変化するものではありません。そこで、旧規定を、そのまま「報酬に関する基準」としている弁護士が多いのです。

そこで、一例として、東京弁護士会旧報酬会規の内容を見てみます。

同会規では、刑事事件を、「事案簡明な事件」とそうでない事件の二つに分けます。

自白事件

事案簡明な事件とは、事実に争いのない自白事件です。複雑さ、困難さ、繁雑さがなく、特段の労力、時間を要しない事件で、起訴前は事実関係に争いがない事件、起訴後は結審まで裁判が2~3回程度の事件です。

この事件では、起訴前後を問わず、着手金30万円~50万円の範囲内。報酬金30万円~50万円の範囲内とされています。

否認事件

他方、それ以外の否認事件などは、起訴前後を問わず、着手金も報酬金も50万円以上とされています。

参考外部サイト→(旧)日本弁護士連合会報酬等基準

刑事事件の弁護士費用の相場は、40万円から100万円の範囲

旧規定が使われる例が多いということは、多くの弁護士にとって、刑事事件の着手金及び報酬金が30万円から50万円で、相場感覚からして妥当と判断されている証左です。ただ、弁護士数が増加している影響で、若い弁護士が多い事務所では、下限30万円ではなく、下限20万円程度でも引き受ける傾向があるようです。

そうすると、刑事事件の弁護士費用の相場は、自白事件の場合、着手金と報酬金を合計して、40万円程度から100万円程度の範囲内と思っていただいて間違いありません。他方、否認事件の場合は、裁判が長期に及ぶことが多く、件数が少ないこともあって、幅が大きく、いくらが相場とは言い難いのが正直なところです。

刑事事件の弁護費用では、別途、日当・経費がかかる

刑事事件の弁護費用には、上述の弁護士費用の他にかかる費用があります。

たとえば交通費やコピー代金、出張費とかの経費ですね。記録謄写費用は、通常の自白事件でも数千円から1万円程度はかかります。否認事件ともなると、数十万円かかる場合も珍しくありません。

これは、各事務所の「報酬に関する基準」に明記することになっていますから、事前によく確認しておく必要があります。

法律事務所の料金表を参考に

依頼したい法律事務所が提示している料金表を参考にしつつ、できるだけ早急に電話によって相談して、具体的な費用を教えてもらいましょう。相場からあまりに離れている法律事務所は避けた方が賢明だから、いくら急いでいても事前に見積もりを出さないところや、明らかに高すぎる金額を言ってくるところは候補から外しておくべきです。

費用が安い事務所がよいのか?

法律のプロを1つの刑事事件に集中させることは、とてもお金がかかることであり、相場より異常に安い法律事務所も信用に値しません。どれだけ簡単な案件であっても、24時間いつでも即応して、警察署への同行などを最優先で行うのだから、着手金と成功報酬でそれぞれ40万円ぐらい請求するのが普通です。

プロとして責任を持って仕事をしている弁護士が、本来なら依頼人に請求するべき弁護士費用をカットすることはありません。依頼人を全力で救う対価として、それに使用した経費を含めて必ず計上します。逆に言えば、極端に安い法律事務所では、まともな活動を行っていない疑いすらあります。

トータルコストで考える

自分の経歴と社会的信用を守ることが第一であり、弁護士費用は必要な分だけ支払うのが鉄則です。特に、警察署から呼び出しがかかっている、拘置所にいて自分では動けない場合では、法律の専門家に助けてもらうかどうかで、今後の人生が大きく変わります。一般的な相場を調べつつも、できるだけ腕が良い法律事務所を探して、すぐに契約しましょう。

多少高くても、腕が良ければ、無駄な費用が省け、トータルコストが安くなる可能性があるからです。

刑事事件に強い弁護士の探し方は、下記の記事に詳しく書いてあります。

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